コーヒーとチョコレート

Guide 8
コーヒーとチョコレートについてのお話です

コーヒーとチョコレートの関係

※フレーバーホイールとは
食べ物や飲み物から感じられる香りや味の特徴を分類し、円状かつ層状に並べたもの。

チョコレートのようなコーヒーというと、一般的にはチョコレートのようなフレーバーがあるコーヒーのこと。
全てではありませんが、深煎りコーヒーにはチョコレートのようなフレーバーを感じやすいです。

今回ご紹介するコーヒーは、チョコレートのようなフレーバーもあるのですが、
その点だけでなく、「豊かな香り」、「心地良い質感」、「後を引くような余韻」のチョコレートの美点にフォーカスし、選びました。

コーヒーとチョコレート

豊かな香り

上質なチョコレートは、口に含み、体温によって溶け出し、閉じ込めていた香りを段階的に解き放ちます。
揮発性の高い香りははじめに、その次、その次と。
コーヒーはそのような性質はないのですが、 チョコレートのようなフレーバーに加え、何かもう1つ、2つの種類のフレーバーを求めます。

心地良い質感

質感に影響を与えるのは、コーヒーに含まれる脂質と酸味のきれいさ。
脂質が豊かでも、酸の質が低い場合は、豊かさ(重さ、厚み、奥行きなど)を感じてもざらつきます。
心地よい質感にはなりません。
質の高い質感を求めます。

コーヒーとチョコレート
コーヒーとチョコレート

後を引くような余韻

余韻が長い、香りが増幅する、甘さの感覚が残る。
「豊かな香り」、「心地良い質感」の2つが揃うことで成り立ちます。
「豊かな香り」、「心地良い質感」、「後を引くような余韻」には、深い関連があります。

コーヒーとチョコレート

愉しみ方

◆立ち香 フレグランスとアロマ
2つの立ち香である「フレグランス」と「アロマ」を愉しみます。
まず、コーヒー粉に鼻を近づけ、粉の香り「フレグランス」を感じとります。
次に、抽出している最中や抽出後のコーヒーカップから立ち上がってくる香り「アロマ」をとります。
ともに直接鼻から感じる香りである立ち香で、揮発性の高い香り、例えばフルーツのような香りは先に感じ、その後に芳ばしい香りやチョコレートのような香りを感じます。
「フレグランス」と「アロマ」の両方に同じ種類の香りを感じることもあれば、違う香りを感じることもあります。

◆口中香 フレーバー
コーヒーを口に含むと、香りが広がります。
喉から鼻に抜ける香りである口中香を感じとります。
コーヒーは「フレーバー」と言い、「フレグランス」や「アロマ」と同じ種類の香りもあれば、違う種類の香りを感じるかもしれません。
それぞれのコーヒーのアイデンティティは、「フレーバー」に表れます。

◆余韻 アフターテイスト
余韻である「アフターテイスト」は、コーヒーを飲み込んだ後に口中に残る味わいや鼻に残る香りで、
コーヒーの品質がわかる重要なポイント。
飲み込んだ後は、口を開けずに、閉じたままの状態で余韻を感じとります。
余韻の種類、長さ、強さなど、どのような余韻なのか?は、コーヒーによって違います。
余韻が長ければ、良いコーヒーである印で、コーヒーの印象をより深くします。ただし、心地よいものに限ります。
また、余韻に残る香りや味わいは、「フレグランス」、「アロマ」、「フレーバー」で感じたものと一致することが多いですが、中には初めて表れる香りや味わいもあります。

◆質感 マウスフィール
ある程度温度が下がってから、質感、「マウスフィール」を愉しみます。
すぐに飲み込んでしまうとわかりにくいので、すぐに飲み込まずに、舌で転がします。
立体感があり、滑らかであったり、とろみがあったり、何か物質感があります。


ブレンド満天の輝き
いろいろな種類のフレーバーを感じますが、「ブレンド満天の輝き」のアイデンティティでもある上品で華やかさを感じる香りが印象的です。
マウスフィールはとろみがあり心地よく、アフターテイストには上品な印象が残ります。

グアテマラ ビジャトロ
赤色果実やチョコレート、ビターキャラメルのようなフレーバー。
マウスフィールは滑らかで、アフターテイストには心地よい果実味が残ります。

ケニア ガツリリ
いろいろな果実が織りなすフレーバーは魅惑的です。
マウスフィールは心地よく、果実感とシロップのような甘さのアフターテイスト。
深煎りでも個性を保つ優れたコーヒー。