カシス、ベリー、ブラッドオレンジなどのフレーバーは他の生産国や生産地では
決して代用できない特別なもの。
その魅惑的な風味に加え、飲みごたえのあるケニアコーヒーの深煎りは
萌季屋のスペシャリテのひとつ。
ですが、今回は浅めのシティローストに仕上げています。
キアンガイの本ロットは、
濃厚なオレンジ感に、かすかに華やかさを感じます。
華やかさでもいろいろとあると思います。
キアンガイの華やかさは、春を感じさせる。
オレンジの豊かな風味。
冷めるとオレンジキャンディーのような印象かあります。
お愉しみ下さい。
生産国 ケニア
生産地域 ニエリ県キリニャガ
生産者 小規模生産者
標高 1700-1800m
栽培種 SL28 , SL34
生産処理 フリィウォッシュト ケニア式
●キアンガイについて
キアンガイウェットミルはナイロビから北へ125km離れた場所に位置しています。
同エリアのキビリグウィ農協には、キアンガイ含め9つのウェットミルが傘下として含まれていて、およそ900名以上のメンバーが在籍しています。
●プロセス
−収穫−
チェリーの熟度が適切なタイミングで、ハンドピックで収穫を行います。
収穫後は過熟や未熟、一部害虫に食べられているチェリーや異物等を取り除きます。
また小さなチェリーはパルパーで果肉除去できないまま通過してしまう可能性があるため、同様に取り除きます。
−パルピング・グレーディング−
完全完熟のチェリーとそうでないチェリーとを区別して別々にパルピングを行います。
使用しているパルパーは1時間あたりにおよそ1,000kgのチェリーの果肉を除去することが可能です。
効率的かつ確実にパルピングを行うため、定期的にパルパーのメンテナンスを実施しています。
一度パルパーを通しても果肉を除去できていないチェリーは、再度パルパーに通します。
その後、水路にパーチメントを流し、比重によって3段階に選別しています。
比重が重く十分な大きさのパーチメントが先に分類され、次の工程に進みます。
このグレーディングが適切に機能していない場合、次の醗酵工程をロットごとに均等に進めることが出来ず、最終的に乾燥させた際、欠点となる豆が多く発生するリスクがあります。
高品質なコーヒーに仕上げるために、この工程はとても重要なポイントとなっています。
−醗酵−
パーチメントを一定時間醗酵槽に浸けます。
醗酵の主な目的は、パーチメントに付着している分厚いミューシレージを酵素作用によって分解し、糖に変えることです。
水温は30~35℃に保たれ、8~24時間行います。
パーチメントを手でこすった際に、ザラザラとした手触りで粘着性がなくなるまで続けます。
当ウェットミルでは、パルピングの際に使用した水を醗酵槽に入れて再利用しています。
一度使用した水で醗酵させることで酵素がより活発に働き、醗酵処理が促進されます。
また水を再利用することで、限られた水資源を無駄なく使用することが可能です。
−乾燥−
醗酵を終え、洗浄してミューシレージを綺麗に取り除いたら、パーチメントをアフリカンベッドに並べて乾燥させます。
乾燥前のパーチメントの水分含有量は約55%です。
それを保管、焙煎に適切な水分値である約10.5%にまで下げる必要があります。
乾燥しすぎてしまうと、品質が低下し、また生産者にとっては重量が減り、得られる収入にも影響してしまいます。
乾燥処理を適切に行い品質と重量を保つことで、生産者に対して十分な対価を支払っています。
●萌季屋のケニアコーヒー
ケニア産コーヒーは萌季屋のスペシャリテのひとつ。
同生産国で最高と位置付けられるフレーバーの種類があり、そのフレーバーは他の生産国や生産地では決して代用できない特別なものになります。
毎年このフレーバーを持つケニア産コーヒーを探しており、現在は安定して確保できていますが、実はそう簡単には見つかりません。
長い年月をかけ、それを見つける術、確保する術を構築してきました。
10年以上にも及ぶケニア産コーヒーオークションに出品されるものを確認し続けた経験をベースに、時代の流れにより最高品質のものを獲得する方法が変化していることを的確に捉え、
また、厳しい条件に応えてくれる関係者に支えられ、誇れるケニア産コーヒーが萌季屋にあります。
●ロースターの仕事
コーヒー豆は形や大きさは随分と違い、焙煎前の生豆を見ると、形、大きさ、硬さの違いはより顕著で、
生産過程(栽培種、栽培環境、生産プロセス、生産年など)の違いが大きく関係しています。
ケニア産コーヒーは比較的大粒で肉厚。
また萌季屋が扱う豆は高標高で栽培、収穫されたコーヒーチェリーから採取された硬い豆(ソリッドビーンズ)なので、
きちんとした焙煎プロセスを踏まなければ、酸味の質や舌触りが悪くなり、結果として魅力的なフレーバーをマスキングすることになります。
そして、最高峰のケニアフレーバーはあるポイントで最大となります。