エチオピア イルガチェフェ コケ G.1 ナチュラル / シティロースト
ナチュラルプロセスにより生じるフレーバーは、他のプロセスと比べ、特徴的な風味があります。
その中において、イルガチェフェ ナチュラルプロセスの風味は多彩。
感じられるフルーツの種類やその構成が様々。
コケ ナチュラルは、
赤ぶどうやストーンフルーツのような甘い風味と小気味よい余韻があります。
● こぼれ話
焙煎中は、それぞれのコーヒー豆の個性を感じます。
進行具合や豆の物理的な変化などなど。
初見の豆は、
生産国、生産地域、品種、生産処理プロセスなどでカテゴライズし、
つくり上げたレシピで焙煎するのですが、
稀に驚きを与えてくれる豆に出会います。
コケ ナチュラルは、その一つ。
このような豆に出会うとワクワクします。
生産者 小規模生産者
生産国 エチオピア
生産地域 南部諸民族州 ゲデオ県 イルガチェフェ地域 コケ
標高 1900 - 2000m
品種 エチオピア系統品種
生産処理プロセス ナチュラル
●コケウォッシングステーションと生産処理プロセス
エチオピア南部に位置するイルガチェフは、コーヒー生産地としても非常に有名な地域ですが、当アイテムはさらにエリアを限定した”コケ”に住む小規模生産者たちの庭先で栽培されたコーヒーです。
10月頃より始まる収穫は、完全完熟のチェリーのみを丁寧にハンドピックし乾燥工程へ進みます。
乾燥工程ではアフリカンベッドの上にチェリーが広げられ、除去しきれなかった未熟なチェリーも選別されます。
最初の数日間は3時間ごとに撹拌を行い、カビなどの繁殖を防ぎます。
また日中の強い日差しによる急激な乾燥を避けるためチェリーは日陰に覆われ、15日以上の時間をかけてじっくりと水分値が12%以下になるまで乾燥させられます。
ゆっくりと時間をかけて乾燥を進めることでしっかりとした甘みや複雑なフレーバーが感じられるクリーンなコーヒーに仕上がります。
●ナチュラルプロセスについて
一般的にナチュラルプロセスにより生じるフレーバーは他の生産処理プロセスと比べ、独特な風味特性があります。
ある生産国を訪問した際、優良且つ複数の地域でコーヒーを生産している生産者からウオッシュトプロセスで際立った風味特性のあるコーヒーが生まれない地域はナチュラルプロセスを選択すると聞きました。
それほど、ナチュラルプロセスは香りや味に影響を与えるということです。
生産国によりある程度生産処理プロセスは決まっていましたが、近年は目的により生産処理プロセスを選択する生産者が増え、その中でもナチュラルプロセスコーヒーは増えているように感じます。
ウオッシュトプロセスでも独特な風味特性を持つコーヒーを生み出す生産国や地域でナチュラルプロセスを導入することは、さらに魅力的で複雑な風味のあるコーヒーを生み出す可能性があります。
ただし、そのプロセスを適切に行える高い技術力が不可欠であると考えます。
コーヒーチェリーの状態で乾燥する方法がナチュラルプロセスになりますが、
どのような状態のコーヒーチェリーを乾燥させるのか
どのような場所、設備を用いて乾燥させるのか
乾燥工程中の気温の高低や風の強弱による乾燥率を考慮しているのか
また、それをコーヒーチェリーの乾燥度合い(水分値)に合わせて調整しているのか
そして、休息時間があるのか
など、ただ干すだけではなく、細かな調整がナチュラルプロセスの豆の品質を高くします。