エチオピア グジ G.1 ブク サイサWS ナチュラル / フレンチロースト
いろいろなドライフルーツの甘い風味が印象的です。
コーヒーを深煎りにする際、深いロースト度合いに仕上げても、その個性を保ち、不快な苦味や余韻にならないコーヒーを選びます。
エチオピアコーヒーについてはさらに条件があり、「深煎りにするとより魅力的なる」コーヒーを選びます。
ひとつ目の条件をクリアしていても、ふたつ目の条件をクリアできない場合は、エチオピアコーヒーがあっても深煎りにはせず、
その個性が輝くロースト度合いに仕上げます。
従って、萌季屋のコーヒーメニューからは「エチオピアコーヒーの深煎り」は無くなるときがあります。
久しぶりのエチオピアコーヒーの深煎りです。
存分にお楽しみ下さい。
生産国 エチオピア
生産者 ブク サイサWS周辺の小規模生産者
生産地域 オロミア州グジ県ハンベラ ワメナ ブク村
標高 2000-2550m
栽培種 エチオピア系統品種
生産処理プロセス ナチュラル
●ブク サイサWS(ウォッシングステーション)について
エチオピア南部の美しい高原地帯に位置しているブク サイサウォッシングステーションは、人里離れた谷の中に位置しています。
ブク サイサとは現地の言葉で「聖なる谷」を意味しています。
ブク サイサはハンベラ ワメナの中でも標高の高いエリアです。
農園はウォッシングステーション周辺に点在しており、約430人の生産者たちは、ブク村が起伏のある地形をしているため、馬に乗ってチェリーをウォッシングステーションに持ち込んでいます。
今クロップにおいては、収獲はエチオピアの主要なエリアでは11月初め頃に始まり、標高2,000mを超える標高の高いエリアでは10日程遅れて開始しました。
コーヒーチェリーは、ウォッシングステーションに持ち込まれる前に、未熟チェリーや過熟チェリーなどがハンドソーティングによって取り除かれます。
その後チェリーはアフリカンベッドにて乾燥工程をとります。
未成熟チェリーや欠点のあるチェリーは、乾燥工程中にも取り除かれます。
乾燥工程の初期においては、チェリーは3~4cmの薄い層になるように広げて乾燥させます。
その後、6~10cmの厚い層になるように広げて数日間ゆっくりと乾燥を進めます。
乾燥工程中、チェリーは頻繁にかき混ぜるようにしています。
また、日中の熱い時間は直射日光から守るため、夜は湿度から守るため、覆いをかぶせるようにしています。
こうすることでコーヒーはより均一に乾燥が進み、また適度に休ませることが出来るので、品質を向上することが出来ています。
ブク サイサではその標高により、乾燥工程に約20日間かかっています。
乾燥工程を終えたドライチェリーは、麻袋にパッキングされた後、倉庫にて生産処理方法やグレード毎に保管されます。
平均して約1~2ヶ 月休ませる事で、コーヒーの水分が馴染み、 均一な水分値に安定させることが出来ています。
また、倉庫内にて再度ハンドピックによる選別が行われることもあります。
ドライチェリーを十分に休ませ、アディスアベバのドライミルへと輸送されます。
●ナチュラルプロセスについて
一般的にナチュラルプロセスにより生じるフレーバーは他の生産処理プロセスと比べ、独特な風味特性があります。
ある生産国を訪問した際、優良且つ複数の地域でコーヒーを生産している生産者からウオッシュトプロセスで際立った風味特性のあるコーヒーが生まれない地域はナチュラルプロセスを選択すると聞きました。
それほど、ナチュラルプロセスは香りや味に影響を与えるということです。
生産国によりある程度生産処理プロセスは決まっていましたが、近年は目的により生産処理プロセスを選択する生産者が増え、その中でもナチュラルプロセスコーヒーは増えているように感じます。
ウオッシュトプロセスでも独特な風味特性を持つコーヒーを生み出す生産国や地域でナチュラルプロセスを導入することは、さらに魅力的で複雑な風味のあるコーヒーを生み出す可能性があります。
ただし、そのプロセスを適切に行える高い技術力が不可欠であると考えます。
コーヒーチェリーの状態で乾燥する方法がナチュラルプロセスになりますが、
どのような状態のコーヒーチェリーを乾燥させるのか
どのような場所、設備を用いて乾燥させるのか
乾燥工程中の気温の高低や風の強弱による乾燥率を考慮しているのか
また、それをコーヒーチェリーの乾燥度合い(水分値)に合わせて調整しているのか
そして、休息時間があるのか
など、ただ干すだけではなく、細かな調整がナチュラルプロセスの豆の品質を高くします。